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2014年1月

2014年1月 1日 (水)

ファッションは魔法 朝日出版社

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山縣良和さんと坂部三樹郎さんという売れっ子のファッションデザイナーのファッション論です。残念ながらおふたりがどんな服をつくっているのか、全然知らなかったのですが、両方とも海外の美術大学などを主席で卒業されていて有名な方たちなのですね。デザイナーになっていく経緯はふたりとも違っていますが、目の前に提示されたレールに乗っかっていないという部分は読んでいてとても興味深い。

特に坂部さんのほうは大学の工学部でプログラミングを学んでいたにもかかわらず、ファッションの道にすすんでしまう。学生時代に自分の着るものに興味があり、着ている服で自分の気持ちに変化があったり、周りからのイメージも変わってしまうという経験が面白く、ロンドンのセントマーチンズという学校に留学。身近な人とのつながりの中でクリエイションを考えた方が良いと考え、ファッションの道に進みます。

ふたりが仕事を始めたときにはすでにファッションの世界ではほとんどのことがやりつくされていて、新しいことをやるには、整備されつくした場所を離れ、新しい土地を探しそこを開拓することからはじめなければならなかったといいます。そんな価値観を根本から見直すという、自ら渦の中に飛び込んでいくような状況の中ではじめて見えてくる景色があるといいます。それは、もやの中にかすかに見える光なのだそうです。ファッションをつくっていくということは、もやのなかに真実を見出す行為でもありますが、その反面もやを見失わないという行為でもあるようです。

多くの仕事ではなるべくいろんなことを整理してもやを吹き飛ばし、目の前をクリアーにしていくことが求められているように感じます。けれども、単純に人が着るだけのものをつくるというだけでなく、着た人の気持ちを変えていけるようなもの、さらにはまわりで見ている人々の気持ちを変えていけるようなものをつくるには、どうも「もや」のようなものが必要なのではないかと感じます。表紙のサブタイトルに「人を超えて、新しい人間をつくる。」とありましたが、いろんなジャンルの仕事に有効なヒントがたくさん詰め込まれているような気がしました。お勧めいただいた(橋)さん、ありがとうございました。

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