単純な脳、複雑な「私」
著者:池谷裕二
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単純な脳、複雑な「私」
販売元:朝日出版社
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「海馬」でおなじみの池谷裕二さんが、出身高校で行った講演と連続講義をまとめた本です。「心の構造化」というとらえにくいテーマで行われた講義ですが、「意識と無意識を含めた脳の作用」を説明しています。
私たちがものごとを判断するときに、果たして何を根拠にしているのでしょうか。正しいと思って下した判断は、本当にそれで良かったのだろうか。「正しさ」の信念は記憶、しかもよりアクセスしやすい記憶に、影響されやすい事が知られているそうです。想像しやすいもの、思い出しやすいものを正しいと認識しやすい。言い換えれば、嫌いなものより好きなものの方、不慣れなものより慣れ親しんだもののほうが「正しい」と感じやすいということです。
一見、複雑な様相を見せる社会ですが、このような単純な脳の働きをベースに動いているかもしれないと思ったとき、「ちょっと気をつけないといけないな」というブレーキを心の中に持っていないと、危ないことになるのではないでしょうか。自分が思っているほど、自分は自分のことをわかっていないのではないか。もしかしたら自分以外の人のほうが、「わたし」のことをわかっているのではないだろうか。
私たちの心には意識できるところと意識できないところがありますが、意識できるところは少なくてほとんどが無意識だそうです。無意識のレベルで判断したり考えたりしている。「自分のことはわかっていない」ということをわかる、というのが自分のことをわかることなのだ、という事だと思うのですが、余計にわからなくなってしまいそうです。
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