臨床とことば
著者:河合 隼雄,鷲田 清一
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臨床とことば―心理学と哲学のあわいに探る臨床の知
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河合隼雄さんと鷲田清一さんの対談集です。臨床心理学もいまでは広く知られていますが、河合さんが始められた頃は「そんなものは科学ではない」とか言われたそうです。同じように鷲田さんの臨床哲学も、臨床という概念を哲学に用いるというのが果たして正しいのか、いろんな議論があったようです。しかし哲学の祖といわれたソクラテスは書物を残したり書を読んで思索したりしたわけでなく、もっぱら対話=臨床を通じて哲学を究めたのであったことから、哲学は最初から臨床だったと、自分を奮い立たせたといいます。
「幸福」について話していた事が興味深い。英語で言うとHappyですが、Happyは偶然とか,幸運にも,などの言葉がもとになっていて、昨今の人々が考えている幸福とは多少意味合いが違うといいます。ドラマや小説などで「幸福」を扱うとき、幸福というのは自分の手で作り上げるもので、幸福な状態が手に入らない人は自分の努力が足りないからだなどと言われる事があります。しかし本来の言葉の意味からすると、偶然転がり込んでくるのが幸福であって、自分で作り上げるものではないようです。そのことを認識すると、いつも「自分は不幸だ、努力が足りないからだ」とおもっている人にとっては救いになるのではないかと思います。
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