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2009年6月25日 (木)

なるほどの対話

なるほどの対話 (新潮文庫) Book なるほどの対話 (新潮文庫)

著者:河合 隼雄,吉本 ばなな
販売元:新潮社
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河合隼雄さんと吉本ばななさんという、意外な組み合わせの対談集です。対談集というのは読んでいるときは面白いのですが、何が印象的だったといわれて「はて?」と困るような感じがあります。

おふたりの話でいろんなキーワードが出てきましたが、興味深かったのが「偶発性」という言葉です。18世紀ごろの小説をみてみると、偶然性に関する記述がたくさん在るといいます。それが現代に近づくにつれ、必然がうまくつながって説明できる小説が増えてくる。けれども実際の人生においては、偶然のほうが断然多く、あれこれ考えていろいろやるより良い結果に結びついたりするようです。河合先生のお仕事の心理療法でも、偶然の出来事が良い結果につながり、治療がうまくいく場合があるそうです。しかしその場合、「こうやって治療したら治りました」というのではないので、治した事にはならないという批判があるそうです。それは「偶然起こったことに意味は無い」からだそうですが、果たしてどうなんでしょうか。

吉本さんが小説を書くときも、「あのことがあったから偶然書けた」ということがほとんどだそうです。小説を読んでいるとそのようなことはほとんどわかりませんが、書いているほうはほとんどそんな偶然に助けられるようにして書いているのでしょう。自分自身も本の感想やブックガイドなどは比較的書けるのですが、まったく自由な状況で書かなければいけないときは、本当に偶然にでも頼らないと難しいと思います。

実際の人生でも偶然にささえられている部分というのはもちろん多いと思いますが、偶然に出会える技術のようなものもあるような気がします。その技術というのは、意外と偶然を探し求めるのではなく、毎日きちんとした生活をすることだったりするのではないかと読んでいて感じました。

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