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2009年2月

2009年2月25日 (水)

最後の冒険家

最後の冒険家 Book 最後の冒険家

著者:石川 直樹
販売元:集英社
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気球による太平洋横断。聞いただけではなかなかイメージできませんが、読んでみると普通の人では絶対不可能だと言うことがわかります。地上では登山や極地探検など、さまざまな冒険が成し尽くされてしまっていますが、空と海ではまだまだ可能性があるようです。

この本は「植村直己冒険賞」を受賞した故神田道夫氏に、サポートとして太平洋横断に関わった著者が贈ったメモワールです。著者ははじめの横断に同行しますが墜落して着水し、偶然通りかかった貨物船に命からがら救助されます。その後、サポートを得られなくなった神田氏は単独で横断を試みますが、太平洋上で消息を絶ちます。

太平洋を気球で横断するには、高度8000メートル付近のジェット気流に乗り、時速150キロ程度のスピードで航行しなければ、燃料の関係で途中で墜落することになるそうです。想像以上にタフな状況に人間はどこまで耐えられるのでしょうか。気温マイナス40度、酸素は地上の三分の一という過酷な状況で、ガスバーナーを操り高度を維持しなければならない。はじめは気球で飛ぶのが冒険なのかと思ったものですが、紛れも無い「冒険」そのものでした。

結果として神田氏は生還することはかないませんでしたが、冒険に命を捧げたことは本望だったかもしれません。彼は最後の通信で「飛べるところまでいく」といったそうです。植村さんもマッキンリーで行方不明になる前に「何が何でもマッキンリー登るぞ」と書き記したと言います。冒険家が強い決意を表すときは、同じように窮地に陥り「どうも勝ち目が無いな」と感じたときなのでしょう。日常では得られないこういった極限の状況は、直接味わう術はありませんが、このような本を読むことで人間の尊厳や生き方を見直すことができると思います。

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2009年2月20日 (金)

ゴーン道場

ゴーン道場 (朝日新書) Book ゴーン道場 (朝日新書)

著者:カルロス・ゴーン
販売元:朝日新聞出版
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この本は、朝日新聞の「be」に連載された「ゴーン道場」を書籍化したものです。ビジネスの場だけでなく家庭での子育てなど、幅広く質問に答えています。

ゴーンさん自身、これまでにたくさんの成功と失敗を繰り返してきたといいます。そんな経験の中で、自分が決断を下すときに他者の決断を参考にすることは有効だったと述懐しています。そして人を育てていく上で必要なことは、自分から歩み寄り、自分自身が他者から学んだ事を伝えていくことだといいます。

「最近の若者は指示待ちで意欲が無い」とよくいわれますが、なぜそういう態度になるかを考えつながってみることで、多くの場合問題は解決できるそうです。コミュニケーションしてみるまえにあきらめるのでなく、まず働きかけてみることで、いい結果につながるかも知れません。

リタ・ゴーン夫人の本も読みましたが共通して感じたことは、仕事で関係をもった相手や家族などを、いろんな手段で独立した存在にしていこうという信念をもった方たちだと言うことです。おふたりともレバノン出身ということが影響しているのか、独立して自分自身が資本となって生きていくことの重要性を強く感じます。日本人のメンタリティとは少し違うかもしれませんが、こういったことはこれからの時代にもっと大切にされても良いことだと思います。

若い社員の指導に悩んでいる方や、子育て中の方にもお勧めです。

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2009年2月16日 (月)

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則 Book 面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則

著者:本田 直之
販売元:大和書房
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ワタクシ、恥ずかしながらかなりの面倒くさがりやで、ウチでは家人に結構迷惑がられていたりします。しかし、職場や家庭以外の人間関係では他人様に迷惑がかかるので、なるべくいろんな案件はすばやく処理することにしています。

メールはすぐに返事。問い合わせにはすぐ返事。とにかくあとで言い訳するのが面倒なので、なるべく用事は早めに済ませるようにしています。

この本の著者も「究極の面倒くさがりや」だそうで、コツコツ地道に努力することが大嫌いだとか。でも面倒なことをきちんとクリアしておくと、あとあとおかげで楽になったということは多いですね。例えばパソコンのソフトウェアなどのマニュアルは面倒なのできちんと読まないことが多いですが、適当に使っていると効率の悪い使い方をしていて結局面倒なことになってしまいます。

いま自分がどんなことを面倒なことだと感じているかを認識すると、そこに目を向けることで仕事や私生活を大きく変えるきっかけになるかもしれません。人生には大きなチャンスなどは本来存在せず、小さなきっかけを積み上げることが成功につながるのではないかと読んでいて感じました。

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2009年2月11日 (水)

建築家 安藤忠雄

建築家 安藤忠雄 Book 建築家 安藤忠雄

著者:安藤 忠雄
販売元:新潮社
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独学で建築を学び、事務所を設立。エール大、ハーバード大の客員教授や東大教授を歴任するなど、華々しいサクセスストーリーが語られているのかと思いきや、まったく正反対の「思うようにいかないことばかり」の半生記です。

私が安藤忠雄と聞いてまず頭に浮かぶのは「住吉の長屋」です。大阪の住吉区の三軒長屋の真ん中というあまりにささやかな空間に、自然の厳しさを感じながら暮らすための工夫が考え抜かれています。ただでさえ狭い空間に中庭を設け、部屋と部屋を行き来するのにいったん中庭=外に出なくてはいけない。雨が降っていたら、トイレに行くのに傘を差さなければいけない。

しかしそのような狭い空間に無駄と思われる中庭を配置したのは、その自然の空白こそが狭い住居に無限の小宇宙を生み出すのだと言う考えに基づいている。それはこの場所で生活を営むのに本当に必要なのは何かという、思想に対する答えなのです。

「光と影」。ひたすら影の中を、遠くに見える小さな希望の光を追うようにして必死に生きてきた人生だったと安藤さんは結んでいる。現代の社会では「絶えず光が当たる」ことが良い人生のように思われているが、本当はそうではなく、その光を遠くに見据えて、それに向かって進んでいる状態にこそ人生の充実はあるのだという。影の部分をしっかり見据えることで、光の美しさはより生き生きとしたものに感じられるのでしょう。

メモワールというより、安藤哲学をあらためて社会に問いかけることで、疲弊した社会に新しい風を吹かせるようなパワーを感じました。ぜひご一読を。

そういえば、私は建築屋の息子なんですが、今思うと建築も面白かったかもと少し後悔しました。

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2009年2月 6日 (金)

吉本隆明の声と言葉

吉本隆明の声と言葉。〜その講演を立ち聞きする74分〜 Book 吉本隆明の声と言葉。〜その講演を立ち聞きする74分〜

著者:吉本隆明
販売元:東京糸井重里事務所
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今年の年頭のNHKのETV特集で、吉本隆明さんの講演会の模様が放映されていました。動いて話をする吉本さんを見るのは初めてでしたので、言葉遣いからいろんな動作まで集中して観てしまいました。面白いんだか面白くないんだかわからないところがよかったです。

吉本さんの講演の音源は約170回分あるそうですが、そのなかから29回74分を糸井重里さんが抜き出してCDにしたのがこの本です。短いものは23秒とか、本当に短いのですが、かえってインパクトがあっていいです。付録のブックレットに吉本さんと糸井さんの対談が収録されているのですが、吉本家の居間で収録されたお話がしみじみといいです。以下、その中の一節からです。

言葉をうまく使える人は今の世の中で自然と統率者になってしまう。それは、言葉をうまく使えるかどうかが格差につながるということになる。しかし人間らしさというのは文章がうまかったり、話がうまかったりすることで決まるのではないのではないか。本当は言葉というのはおまけで、外には聞こえず自分の内側に語りかける部分こそが人間の幹であり、本来の自分ではないかと吉本さんは言っています。言葉の幹は沈黙であり、言葉となって出たものは枝葉のようなもので、いいも悪いもその人とは関係ないといいます。

うまく言えるヤツは勝ってしまうけど、人間の価値はそんなことでは決まらないという事でしょうか。

聞いてみるとひとつひとつが短くて、結構いいところで終わっているので続きが聞きたくなりますが、ブックレットにそのお話の部分に関連した本の紹介が載っていますので、続きはその本でお勉強ということになりますね。昔の著作、少し読んでみたくなりました。

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2009年2月 5日 (木)

言語表現法講義

 言語表現法講義 言語表現法講義
販売元:
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この本は、明治学院大学の「言語表現法」の授業をもとに、模擬授業という形で構成されています。タイトルからしていかめしく、さぞアカデミックな内容かと思いきやそうではありませんでした。

言語学とか表現論とかいいますが、「学」と「論」、そして「法」の違いはどの辺で決まるのでしょうか。人が文章を書くときには、頭で考えて手で書きます。その頭と手の比率の違いで「学」と言ったり「論」と言ったりしているのだそうです。「言語表現法」というのは頭と手が半分づつの状態らしい。書くときに手と頭のバランスを半々にすることを目的としていると言っても良いでしょう。

その半々の状態でなければいけないのは何故でしょうか。文章を書く上で一番大事なことは「知っていることを書くのではなく、書く事を通じて何事かを知る。」ということだそうです。半々の状態でなく頭が勝つと学問になってしまうし、文章教室のように手のほうに行き過ぎてしまうと、「小手先」になってハウツーに近づいてしまう。そうならないような状態で文章を書くというのも、それはそれで大変だと思いますが、言わんとしていることはわかる気がします。

書くことを手がかりにものごとを考えるという方法は、実際に文章を書いてみるととてもいい方法だと実感します。頭の中で考えていることは、やはり実際に手を動かして書いてみないことには絶対に固定化されないんですね。書くと言うことは今まではアウトプットの手段だと思っていましたが、それだけではなく自分の内面に向かうためのツールでもあると言う、面白い使い方もあることを知りました。

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2009年2月 3日 (火)

ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力

勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践 Book 勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践

著者:勝間 和代
販売元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
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京大の鎌田先生の「ブリッジマンの技術」に触発されて、フレームワークの勉強中です。

この本はビジネスの場面において使われている、様々なフレームワークの事例について説明されていますが、読みすすめていくほど日常生活への応用ができそうでとても面白かったです。

私たちは毎日の暮らしの中で、限られた情報と時間の中で適切な判断を迫られることが多々あります。そんなときに正しい判断をすばやくできる人は、「フレームワーク力」を持っている人だそうです。「フレームワーク力」というのは、既存のフレームワークを正しく使い、さらに新しいフレームワークを作ることができる能力の事ですが、いろんなフレームワークをもっている人ほど、瞬時に適切な判断ができるようになるそうです。言い換えてみれば、種類の違う物差しをたくさんもっているという感じかもしれません。

「何かの概念や考え方を自分なりに束ねて整理して、考えやすく、覚えやすくするもの」がフレームワークという考え方だそうですが、そういう意味では複雑な現代社会を生き延びるツールとして、これからますますフレームワークという考え方は必要とされるでしょう。「空」をみたら「雨」が降ってきそうだから「傘」を持っていこうという行動などは当たり前のようですが、言い換えてみれば「情報を事実→解釈→行動に分解して思考を深める」事だといえます。そうすると他の場面に応用することができますね。それを「空・雨・傘」と短くコンパクトにして覚えやすくしているのです。

人と話をしていると完結に話をまとめるのが上手な方がいます。そんな方の話は印象に残りやすいものです。コンパクトにまとまると覚えやすく、相手に渡しやすく、相手は受け取りやすいですね。そして、受け取った人はまた他の人に渡しやすくなります。そんな風に人と人をつなぐツールとして、フレームワークをもっと活用したいと思います。

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