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2009年1月 9日 (金)

反貧困

反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書) Book 反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)

著者:湯浅 誠
販売元:岩波書店
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近年、ワーキング・プアという言葉をよく耳にします。それは、働いているにもかかわらず、憲法で保障されている最低生活費以下の収入しか得られない人たちのことを指します。

著者の湯浅さんは、自立支援をサポートするNPOを運営し、たくさんの生活困窮者を手助けしたなかで、自己責任だけが貧困を招いたのではないと指摘しています。ノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センの言葉として「貧困はたんに所得の低さというよりも、基本的な潜在能力が奪われた状態と見られなければならない」と言うことを引用していますが、それは貧困が個人的な要因だけでなく、社会的、環境的な要因で起こっていることにつながると思います。

著者は、ホームレスなどの人達と接してきて、「潜在能力」にあたる概念を「溜め」と言う言葉で表現しています。農業などで使われるため池というのがありますが、急に日照りが続いてもしばらくはため池の水でしのげるという、緩衝材のような役目です。

著者が相談を受けた方は、あまりにも状況が深刻すぎて、自分では生活保護の申請をする意欲さえありませんでしたが、友人の説得で生活保護を受けることができました。そうして、少し余裕ができると気持ちにもゆとりがもてたのか、就職の面接を受けてみようという変化が出てきました。まったく「溜め」の無かった状態から脱することで、一歩前に進むことができたのです。

私たちの生活においても、金銭的な溜めが必要なのはもちろんですが、いざというときに助けてくれる友人を持つといった、人間関係の溜めを持つことが重要ではないかとこの本を読んで感じました。

今日もごらんいただきありがとうございます。

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