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2008年10月

2008年10月31日 (金)

ぼくは猟師になった

ぼくは猟師になった Book ぼくは猟師になった

著者:千松 信也
販売元:リトル・モア
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小学生のころのことです。大阪と和歌山の中間地点に住んでいた田舎育ちの私は、魚釣りと昆虫採集に明け暮れていました。あるとき、草原で遊んでいると足元から突然何かが飛び出して行きました。よく見ると野ウサギでした。そのころから、いつか野ウサギを罠でつかまえてウサギ汁にしたいと思っていましたが、かなわぬ夢でしたね。

この本の著者もご多分に漏れず動物好きが高じて、動物園の飼育係や獣医を目指しますが、結局大学は京都大学の文学部へ。なんと4年間休学し、その間に海外で医療支援などのボランティアに従事し、日本へ戻ります。

復学のため働いた運送屋で、趣味で狩猟をしている人に出会います。その人がやっていたのは珍しくも「ワナ猟」でした。その師匠や、自分の経験を通じて、狩猟の方法や鳥獣の解体の仕方、調理法などを身につけますが、そのひとつひとつが大変面白く、迫力がある。初めてシカを獲ったとき、ワナにかかったシカをしとめるのに、鉄砲を使えないので殴り殺すしかない。そのときの精神的な混乱が印象深い。

あとがきでこんなことが書かれています。

「自分が暮らす土地で、他の動物を捕まえ、殺し、その肉を食べ、自分が生きていく。そのすべてに関して自分に責任があるということは、とても大変なことであると同時にとてもありがたいことだと思います。逆説的ですが、自分自身でその命を奪うからこそ、そのひとつひとつの命の大切さもわかるのが猟師だと思います。」

以前に紹介した「いのちの食べかた」とリンクするところですが、他の命の犠牲の上に私たちの命が成り立っているという実感を、普段はなかなか感じることは難しいと思いますが、折に触れ、感謝する時間を持ちたいものだと思いました。

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2008年10月29日 (水)

植村直己 妻への手紙

植村直己 妻への手紙 (文春新書) Book 植村直己 妻への手紙 (文春新書)

著者:植村 直己
販売元:文藝春秋
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ヒマラヤ、スイス、グリーンランド、アラスカ、そしてエベレスト。冒険旅行の先々から日本にいる妻公子さんに送り続けた手紙の数々。公開されたのを本人が知ったら「それはないよ」とおっしゃいそうですが、これまで植村さん関係の本をいくつか読んできたなかで、最も彼のパーソナリティを感じた1冊でした。

テントのなかで、あわただしく縫い物をしたりしながら、その合間に書く手紙。どうしてもせっかちにならざるを得ない状況で書く文章は、断片的で情緒の欠けるものになりがちですが、彼の手紙は親戚を思い、妻を思い、スポンサーのことを気にかける愛情あふれるものでした。

この残された手紙たちを読みながら、そこまでして、彼を冒険に駆り立てたものは何だったのだろうと考えました。日本人初のエベレスト登頂、世界初の五大陸最高峰登頂など多くの偉業を成し遂げた植村さんですが、やはり多くの人が言うように「そこに山があるから」というような紋切り型の答えがそこにあったとは考えたくありません。なにかそこには自分のなかに埋められないものがあって、その穴を必死で埋めようという作業が冒険という形で現れていたのではないかと、手紙の文章を読んでいて痛切に感じました。

人間、植村直己の生き様を垣間見ることのできた1冊でした。

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2008年10月27日 (月)

まずお前が読め

小飼弾さんのブログ「404 Blog Not Found」の今日のネタが面白かった。

産経ニュースの読書週間に寄せての社説に対するコメントなんですけど、読書離れが進み若者の読解力の低下が進んでいるという主張に対して、そら違うやろ!とおっしゃる。小飼さんいわく、本しかなかった時代に比べて、身の回りに膨大な量の活字が氾濫している今の世の中で、必要なものとそうでないものを取捨選択する能力は格段に向上しているはず。なるほど、情報を処理するという観念からすると、正解かも知れません。

そのあと、面白いことが書いてあったので、勝手に引用させていただきました。このことには、私も大変共感しましたので、ぜひ元のブログもお読みいただきたいという意図もかねて載せさせていただきました。小飼さん、ご了承くださいませ。(以下、引用です。)

最後に一つ、ここだけの話を一つ。ある出版社の書店向けの発表会でなぜか私がゲストスピーカーとして招かれた時のこと。私が聴衆に対してした質問が、以下。
「この中で、この出版社の本をきちんと一冊最初から最後まで読んだ方、手をあげて」
一割切ってましたね、手をあげてくださったのは。
本を(子ども|家族|友人|部下)に読ませたいあなた。
まずはあなたが読みましょう。
それから「本読め」言うのやめましょう。もっと読んでいる人にあなたがいかに読んでないかをつっこまれるのがオチなので。
「読め」いうなら、具体的な書名を上げましょう。そしてなんでその本がおすすめなのかをきちんと伝えましょう。それをblogに書けばなおよしかも。1000冊もやればここの誰かさんみたいにちょっとした副業になるかも知れませんし。

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カラシニコフ

カラシニコフ I (朝日文庫 ま 16-3) Book カラシニコフ I (朝日文庫 ま 16-3)

著者:松本 仁一
販売元:朝日新聞出版
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友人のお勧めで読んだ1冊。非常に衝撃を受けた本です。

世界中でほぼ誰に聞いても知っている言葉が3つあるそうです。それは、コカコーラとビートルズ、それとカラシニコフです。

カラシニコフというのは、ソビエトのカラシニコフという技術者が開発した自動小銃のことで、本来はAK-47という型番があるのですが、カラシニコフの呼び名の方が通りがいいでしょう。世界中で起こっている内戦などの紛争の現場で、必ずといっていいほど使われているのがこの銃なのです。アフリカのソマリアなどの内戦で少年兵が戦争に参加しましたが、彼らの登場に一役買ったのがこの銃の使い勝手の良さでした。取り扱いが簡単で、故障が少ないので誰でも扱える。砂漠で砂にまみれても、水の中に落としても、少し手入れすれば使えるという特徴は、紛争地帯で使用する銃の必要条件を満たしていたのです。

この銃の流通過程を探っていくことで、国と国とのあいだの利害関係を洗い出すことができ、今起こっている紛争の原因を知ることができます。金の流れにそって、多くの人の命を奪う銃が人々の手に渡っていく。当事者でない私たちから見ると不幸の連鎖でしかないと思われますが、現地では命を守る存在でもある。

女性兵士のインタビューが印象的です。やむにやまれぬ理由で戦士に志願したのですが、初めて人を撃ったときのことが忘れられず、内戦が終わってからも精神的に大きなダメージが残ってしまった。銃を手にしたことで得た物は、彼女の場合苦しみでしかなかった。

朝日新聞のナイロビ支局長や中東アフリカ総局長を歴任した著者のルポルタージュですが、紛争地帯で銃の音を聞きながら取材した生々しさがリアルに伝わってきます。世界で起きている不幸な出来事をきちんと知ることは、今を生きる私たちの義務ではないかと思わされました。


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2008年10月23日 (木)

ひとりでは生きられないのも芸のうち

ひとりでは生きられないのも芸のうち Book ひとりでは生きられないのも芸のうち

著者:内田 樹
販売元:文藝春秋
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「CanCam12月号」はエビちゃん卒業スペシャルである。感慨深いものがありますな。これで思い出したんですけど、内田樹さんが、この本でCanCamの一人勝ち状態を分析しておりました。題して「めちゃモテ日本」です。かいつまんで説明します。

CanCamのコンセプトは「めちゃモテ」。競合誌のJJのファッション戦略が「本命の相手ひとりにとことん愛されること」というのに対して、CanCamの方は「万人にちょっとづつ愛されること」だそうです。CanCamの読者の女の子たちは、なぜ「めちゃモテ」を選ぶのか。そこには生存戦略上のある記号が存在しています。

社会的なリソースを競争に打ち勝った者に分配するという現在のシステムにおいて、弱者が生き残る道はそう多くありません。女性の場合玉の輿狙いかもしくは、みんなからちょっとづつ愛される「めちゃモテ」戦略のどちらかです。

しかし今のご時世、乗ったつもりの玉の輿の信頼性に、たくさんの疑問符がつけられるのはいうまでもありません。結果として選ばれたのが、「めちゃモテ」のラブリーな女の子になることだったということです。いわゆるリスクヘッジですな。

ここで、国際関係における日本の状況をみてみると、アメリカにラブリー、中国にラブリー、韓国にラブリー、ロシアにもラブリーとみんなにちょっとづつ愛されるCanCam的な「めちゃモテ」な日本の様子がありありと浮かびあがってきます。「わたしぃ、みなさんにぃ、ぜぇ~ったい、危害なんか加えませ~んっ。」という記号を、憲法九条を持つことで発信しているのではないかということであります。

エビちゃんは卒業しちゃいますが、「めちゃモテ」で「ラブリー」な日本の象徴として、CanCamがこれからも売り上げを伸ばしてほしいと思う今日この頃です。

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2008年10月22日 (水)

サヨナラ、学校化社会

サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫 う 17-3) Book サヨナラ、学校化社会 (ちくま文庫 う 17-3)

著者:上野 千鶴子
販売元:筑摩書房
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「おひとりさまの老後」でブレークの上野さん。フェミニズムとかうるせえよ!と思っていたので読む気も無かったんですが、なんとなく読んでしまいました。

上野さんが東大で見たものは、「以上の文章を何字以内に要約しなさい」という能力を磨き続けてきた、オリジナリティの無い学生達でした。人と違うことを恐れるあまり、ディスカッションの時に言葉を発することができない人達。

「オリジナリティとは既に存在する物との距離のなかに生まれると」いいますが、それはいいかえればあなたと私はここが違うという距離のことです。

本来なら学校は失敗することが許され、試行錯誤することで成長できる場であったのが、現実には失敗が許されない環境になってしまっている。そんな学校に育てられた彼らが、オリジナリティを発揮するのは難しいと思います。

「東大合格生のノートはかならず美しい」という本が売れています。、ノートをうまくまとめる能力は大事かも知れませんが、それが「オリジナリティの無い人間の再生産」につながるのではないかと思うのは飛躍しすぎでしょうか。

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2008年10月21日 (火)

調理場という戦場

調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫) Book 調理場という戦場―「コート・ドール」斉須政雄の仕事論 (幻冬舎文庫)

著者:斉須 政雄
販売元:幻冬舎
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東京、三田のフランス料理店「コート・ドール」のオーナーシェフ斎須政雄さんのことをはじめて知ったのは、立花隆さんの「青春漂流」を読んだときでした。この本で紹介されていたフランス料理の世界は、自分の持っていた華やかな印象とは異なり、実際は長時間の労働と低給与、そして厳しい階級社会というすさまじいものでした。そんななかで、ランブロワジーというレストランを友人とオープンさせ、2年でミシュランの星を2つもとってしまったのです。

そんなフランス時代に過ごした6つのお店と、現在のコート・ドールのことが、この本では紹介されています。

とにかく、なんでも徹底的なんです。メロンの味を身体で覚えようとして、オーナーに頼んで何個も入っている箱を1箱買ってもらう。そして吐く寸前まで食べてようやく身体に味がしみこんでくるといった具合です。ソースの味見も、スプーンで少しなめる程度ではなく、ごくごく飲んで味を確かめる。おかげで足に静脈瘤ができてしまい、今でも直っていない。

「ここはジャポンじゃないんだ!」といわれ、今までの経験をすべて粉みじんにされながら立ち向かって、ついにはフランス料理の奥深いところに到達した斎須さんの半生にとても感銘を受けました。「少数精鋭の組織論」という著書もある斎須さんですが、たくさんの経験を通じて得た気づきは、料理の世界以外でも通用するのではと思いました。

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2008年10月20日 (月)

トラックバックその後

先日、masaさんに教わったトラックバックですが、小学館のBook Loversのサイトではできたのですが、どうもmasaさんの方はうまくいかなかったようです。また挑戦してみたいと思っています。

「走ることが私のリズム」のサイトを拝見していたら、図書館で本を借りる習慣のことが書かれていました。自分もよく利用するのですが、最初は家計のため本代節約が目的でした。

そのうちインターネットで新刊情報を見て予約ができるようになったので、結果として読書量が格段に増えてしまったのです。とりあえず誰かが借りていても予約を入れておけば、返却されたときに連絡が入るので、毎週数冊「読まなければいけない」本が手元にあるという状況になっています。

忙しくて読書量が減ってしまってというお話をよく聞きますが、とにかく読まなければいけない状況に追い込まれると、結構読めるものです。おかげで、慢性的な睡眠不足と肩こりに悩まされる今日このごろです。しかも、ブログなんかはじめちゃって、どうなるのか心配です。

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2008年10月19日 (日)

いのちの食べかた

いのちの食べかた (よりみちパン!セ) Book いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

著者:森 達也
販売元:理論社
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森達也さんって映画監督、またはドキュメンタリー作家ということでいいのでしょうか。メディアの側から社会の出来事にコメントし続ける発言者ですね。

この本はヤングアダルト新書という若い世代に向けて書かれたものですが、とても重いテーマをわかりやすく上手に料理しています。

私たちが肉を食べるためには、誰かが動物を殺さなければならない。スーパーにパック詰めされている「お肉」はただの商品になっていますが、もともとは生きた動物だったんです。そのことから目をそむけて、かわいそうだとかといって知らない振りをするのは良くないと思います。

食肉加工の業界にはさまざまなタブーがあり、あまりおおっぴらに扱うことは難しいとされてきたようです。なぜかというと、屠畜場で働く職員が今でも多くの人が被差別部落の出身者だからなのです。日本の食肉加工のことについて話そうと思うと、どうしても部落差別のことに向き合う必要があるのです。解放出版社からでている内沢旬子さんの「世界屠畜紀行」によると、外国ではお肉屋さんや、屠畜業者さんの地位はとても高いといいます。これは、肉食が生活の中心にあるというのが大きな原因だと思いますが、日本の状況とは隔世の感がありますね。

いのちを犠牲にして生きているということを、私たちは普段意識することは少ないように思います。目をそむけずに見つめることの大切さを、この本から学んだように思います。機会がありましたら、ご一読ください。

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2008年10月17日 (金)

トラックバック

コメントいただいたmasaさんにトラックバックの仕方を教えていただきました。ありがとうございました。masaさんのブログ「走ることが私のリズム」、とても素敵です。

高校生のとき、大阪城のお堀の横に学校があったのですが、中学・高校の6年間で千周くらいお城の周りをまわったのではないかと思います。内堀が1周約2キロ、外堀が約4キロ。よくも走ったものです。いまでもウォーキングはやっていますが、運動不足を痛感しています。

取引先の方が11月にフルマラソンに出場されるそうです。もう数回走られているそうですが、すごいなあと感心しています。先日は、家内の主治医がホノルルマラソンで走ってきました。とりあえず、ウェアとシューズを買いに行こうかなあと思ってしまいました。

果たしてトラックバックのほう、成功してるでしょうか。楽しみです。

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2008年10月16日 (木)

経営者、15歳に仕事を教える

経営者、15歳に仕事を教える (文春文庫 き 28-1) Book 経営者、15歳に仕事を教える (文春文庫 き 28-1)

著者:北城 恪太郎
販売元:文藝春秋
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今回は、自分にとっては守備範囲外の本です。中学生向けのブックガイドへのセレクションで読んだのですが、案外気づきの多い本でした。

日本IBM会長の北城さんのメモワールです。36歳まで平社員だったという北城さんは、いわゆるエリート社員ではなかったと述懐します。

人は一生のうちの多くの時間を仕事に携わって過ごします。けれども、教育の場で仕事について学ぶ機会は、ほとんどないといってもよいでしょう。これから大人になる人達や、すでに働いている大人達に、社会や多くの企業が求められていることはどんなことなのでしょう。青年期の若者たちにそんな問いかけをしながら、仕事をすることの大切さを通じて生きることの意味を語りかけています。大人になった私たちにとっても、こういった「職業観」という基本に立ち返って考えることは、とても有意義なことだと思います。我が家では息子たちのニート予防の一助にと、トイレに常備しております。

皆さんにも可能でしたら、なるべく自分の興味から外れた本も読んでみることをお勧めします。結構、いい経験になると思います。この文章は、連載に多少の加筆をして作成しました。

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2008年10月15日 (水)

Book Lovers

以前「読書進化論」で紹介した勝間和代さんが、J-Waveインターネットラジオ"Brandnew J"で「勝間和代のBook Lovers」というコーナーを担当されています。今週は出版社のディスカバーの社長の干場弓子さんがゲストで、お勧めの本を毎日紹介しています。今日は著者の見つけ方と題して、ご自分の経験からお話されました。

ポイントとしてまず、問題意識を持ってあたること。

そして、どこに行って探すかを考えること。これは最近ではブログなどが多いようですが、雑誌や新聞のコメント欄、そしてすでに出ている本、持ち込み、紹介などのことです。

そして、干場さんの面白い視点として「R・I・S・Eの法則」にのっとって選別すること。repeatability(再現性があるかどうか)、impression(その人と会って感動があるかどうか)、sincerity(誠実かどうか)、extension(拡張性があるかどうか)の4つの点です。

著者との出会いはリクルーティングや結婚と似たところがあるとおっしゃっていました。たくさんの出会いを通じて一緒に本作りをしていく同士を探すようなイメージなのでしょうね。

ストリーミングで番組が聴けるようになっていますので、ぜひ聞いてみてください。

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人生を変える!「心のブレーキ」の外し方

「心のブレーキ」の外し方〜仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー〜 Book 「心のブレーキ」の外し方〜仕事とプライベートに効く7つの心理セラピー〜

著者:石井 裕之
販売元:フォレスト出版
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「コールド・リーディング」の石井裕之さんの本です。

何か目標を持ってはじめたことって、長続きしないことが多いですね。最初に感じたやる気が、消えていってしまうような感じでしょうか。

どうもそれには理由があるようです。人間には、潜在意識という普段生活している意識のほかに無意識の部分で動いているものがあり、その潜在意識が心の動きにブレーキをかけているそうなんです。意識の上では目標達成という状況の変化を求めていても、潜在意識のほうはそれに反してなるべく現状を維持しようとするらしい。

ダイエットがうまくいかなかったり、結婚式のまえにマリッジブルーになったりするのも、その現状維持プログラムのせいだったんです。それをクリアするには、はじめるときになるべくゆっくり時間をかけるという方法がよいそうです。ゆっくりと現状維持プログラムに気づかれないように、目標に近づいていく。急な変化は禁物だそうで、結構根性要りそうですね。

もうひとつ興味深かったのは、放っておくとすぐに消えてしまう感謝や情熱などの感情を、消えないようにする方法です。これはすぐ実践できる方法ですが、案外気づかないです。いい言葉だと思ったら、すぐに会話で使ってみる。本や映画で感動したら、人に薦めてみる。よい感情が起こったときに、それが消えてしまう前に定着させる唯一の方法は、行動に変えることなのです。自分自身もこうやって書いていると、書いたことは忘れず、他の人に伝えることができます。面白いですね。

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下流志向

下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち Book 下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち

著者:内田 樹
販売元:講談社
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どうもまだ使い方がよくわからず、フォントの大きさがうまく調整できません。お見苦しいところ、ご容赦ください。

今日は、最近よく読んでいるウチダ先生です。構造主義がわかってないとかいろいろ批判されることも多い先生ですが、面白いので読んでしまいます。

この本はお友達の会社が主催した講演を収録したものです。「学び」や「労働」から背を向ける若者たちがどうして出現したのか。いつもの方法でひっぱりこんでくれます。

なかでも興味深かったのは、諏訪哲二さんの著作からの紹介で、「学校が生活主体や労働主体としての自立の意味を説くまえに、子供たちはすでに消費主体としての自己を確立している。」という部分です。生まれてはじめての社会経験が買い物だったという現代の子供たちは、昔の子供たちのしたような、水撒きや掃除などの家庭で行われてきた労働を経験することなく、いきなり消費者として社会に接します。そして学校でも「教育サービスの買い手」としてのポジションを求めるようになります。買い手としての子供は先生に対して、教えてもらう内容が自分にとって利益があるのかどうか判断し、いらなければ「買わない」という選択を自分の責任においてするようになるのです。自ら選んであえて「下流」を選択するロジックは、ここにあったのかと思わずひざをたたいてしまいました。

九九を教わるときに「これを覚えていったいどうなるの?」と聞かれた教師は愕然とするでしょう。これまでは、覚えるのは「あたりまえ」でしたから。

社会のいろんな場面で今、似たようなことがたくさん起こっているように感じます。そんな問題の根っこをきちんと認識しないと、ますます世の中はえらいことになるのではないかと不安になります。

松下幸之助さんが、「気づいた人には回りの人たちに知らせる責任がある。」と言ってたらしいですが、このような気づきを共有することで、教育の底辺をあげていくことができるのではと思いました。

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2008年10月14日 (火)

寡黙なる巨人

寡黙なる巨人 寡黙なる巨人

販売元:楽天ブックス
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東大名誉教授だった多田富雄さんは、2001年旅先で脳梗塞の発作に見舞われました。一命はとりとめたものの、右半身不随と嚥下障害、言語障害によって文字通りの地獄の日々が始まる。つばを飲み込んだり水を飲んだりという当たり前のことができない。死をも考えたという多田さんでしたが、希望を捨てずなんとか社会復帰をしようとリハビリを始めます。

運動機能は元には戻らなかったのですが、リハビリの一環で左手でワープロを使えるようになり、少しづつ文筆活動ができるようになります。

彼が病院で感じたのは、外の社会で持っていた地位や名誉などは患者や看護士のなかではまったく通用しないということでした。ただの「患者の多田さん」でしかないということ。よく聞かされる「失ったときに人は初めて気づく」というせりふがあるけれど、本当にそういう事態にならないと人は気づかないのだなあとしみじみ思いました。

自分自身の人生も折り返し地点を過ぎ、こういう本を読むたびに最期の迎え方に対して少しづつ覚悟をしていかねばと思うこの頃です。

新潮文庫の南伸坊さんとの共著「免疫学個人授業」も多田先生だったとは、この本を読んでから再認識しました。とってもえらい先生なんですね。

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2008年10月13日 (月)

裸でも生きる

裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ) (講談社BIZ) Book 裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ) (講談社BIZ)

著者:山口 絵理子
販売元:講談社
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ワタクシ、某通信添削会社の会員向け情報誌でブックガイドを連載してるんですけど、結構その記事もたまってたりするのでせっかくなんでここでも転載しようかと思っています。中学生向けの情報誌で、字数も全部で300字程度なのでまとめるのが難しいのですが、毎回頑張っております。以下、その記事であります。どんなもんでしょう?

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(本の解説)

小学校でいじめに、中学では不良生徒。そして柔道と出会い、全国7位になる。その後、工業高校から慶應義塾大学に入学。アメリカの国際機関でインターンを経験。途上国支援の矛盾を感じ、最貧国バングラデシュに渡る。 

(本の内容)

「生きるために、生きていた。」、そんな人たちが数多く住む最貧国バングラデシュ。途上国を支援するにはただ施すだけではダメだ。ビジネスのパートナーとして、ともに豊かになるんだというこれまでなかった視点で、特産品のジュート(生地)を使ったバッグを販売する。「そんなことできるわけない」という周りの声の中、多くの困難に押しつぶされそうになりながら「この国に希望の光を灯す」ことを目指して走り続ける、20代女性社長の創業の記録です。

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山口さんはテレビの「情熱大陸」にも出演されたそうで、非常にエネルギッシュな方のようです。バッグという商品を通じて途上国に貢献する。それもビジネスとしてお互いが成長できるように、これまでの「施し」という視点から離れた方法で運営できるまでには大変な苦労があったようです。最近やたら多い「号泣もの」とは一線を画した本物の涙が描かれていました。文章は雑ですが、ついついひきこまれる迫力があります。

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読書進化論

読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書 1) Book 読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) (小学館101新書 1)

著者:勝間 和代
販売元:小学館
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この本は発売日に即買いしました。勝間さんの本は今まで守備範囲外だと思い込んでいたので、読んでいませんでしたが、これは手に取ったとき面白そうと直感しました。久々に読んでいて付箋をたくさんつけてしまった本。備忘録的に、面白かったところをひろってみます。

ウエブ派の勝間さんにとっても本はやはり欠かせない存在。どの点が優れているかというと、自己表現のメディアとしてフォーマットが安定していること、読みやすさ、携帯性の良さなど、ネットはまだまだかなわないという。自分自身もざっと内容を知りたいとき、ぱらぱら読みや斜め読みなど、本でしかできないやり方で情報収集しています。

勝間さんは本を選ぶとき良い本を見つけるコツは「とんがっているもの」があるかどうかをチェックするそうです。翻訳書をよく読むそうですが、割合として和書よりもとんがったトピックがはいっている確率が高いとか。こういうことは、新しく本を書く人や、編集に携わる人は意識していたほうが良いと思います。読者の立場からみても、やっぱり面白いコンテンツが無いと、損した気分にさせられてしまいます。

出版業界では商品ができる前に他業種ほどマーケティングを行いません。1冊の単価が低いので、マーケティングにかける予算がないというのが真相だと思いますが、この本で紹介されている「ブルーオーシャン戦略」のように、船出するときにはすでに競争相手がいない青い海に乗り出すようなイメージで本を作れば、出版不況もいくらかは解消されるのではないかと考えさせられました。

読書の好きな方だけでなく、出版関係の方にもいろいろな気づきがあるのではないかと思わせる今回の1冊でした。

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