14歳からの社会学
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14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に 著者:宮台 真司 |
自分の中では「戦う社会学者」というイメージの宮台さん。既存の日本的な社会の慣習などにとことん抵抗するという印象があり、あまり好きでは無かったのですが、この本を読んで「いいじゃないか!」と変わってしまいました。あとがきにもありましたが、ご自分の娘が14歳になったとき、ひとりの大人として自分はどんなことを語るだろうというスタンスが全編を通じて貫かれています。
先が見えない世の中で子供たちは何を指針にして生きていけば良いのかが、非常にわかりにくくなっていると思います。土台になる社会が日々変化し、変わり続けると言うことが社会の定義なのではないかと感じるほどです。しかし人間の本質というのはそう簡単に変わるものではなく、そのことが荒波のように波打つ世の中を漕いでいくうえで、強みでもあり弱みでもあるようです。
社会の中で人が自由にふるまえる為には「尊厳」が必要だといいます。「自分はバカにされるんじゃないか」と思っているときには他人の前で堂々とすることはできません。誰かから認められるという経験を積むことで、「尊厳」は形成されていく。失敗しても大丈夫だとわかったとき、安心していろんな事にチャレンジできる。人間を社会的に成長させるのは、このサイクルなのだと言います。しかし今の社会で問題なのは、認めてくれる「みんな=他者」がよくわからなくなっていることだそうです。急激なグローバル化の影響やその他の様々な理由で、いままでのような「共通前提」が無くなってしまった。日本という国の境界線が希薄になってしまったのだろうか。しかしそのことが他者と交流することを必要とせず、「尊厳」を投げ出してしまうタイプを生み出したりし始めている。自分が自分であることにとって、他者の存在を必要としない人たちが出てきはじめたという。
社会学という視点から世の中の事を見つめなおしてみると、今まで漠然と若者に感じていた違和感が少し修正されたような感じがしました。「14歳からの」という事ですが、大人にこそ読んでもらいたい本です。
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